地学2学期末試験対策(地学実習・化石クリーニング・岩石プレパラート)
made by Kevin
・秩父盆地の地形
…埼玉県西部の縦横13kmの正方形の盆地で、東を外秩父山地に、南と西を奥秩父山地に、
北を上武山地に囲まれている。実習では、支流の赤平川沿いの吉田町取方と、
荒川沿いの大渕、荒川の盆地からの出口に位置する長瀞の3か所に行った。
・大洪水
…雨水が激しく浸食し、深い谷を刻むため秩父盆地周辺の山地は壮年期の様相を
呈している。大雨になると、多量の雨水が盆地の出口となる長瀞に集中するため、
増水の被害が出る。樋口駅前の長瀞第二小学校の前には江戸(寛保)時代のその跡が残る。
・河岸段丘
…盆地内では荒川・赤平川・横瀬川による河岸段丘が発達し、上位・中位・下位の
3段の段丘面が形成されている。
・ポイント1長瀞(長瀞~上長瀞)←普通に歩けば15分程度
・横臥褶曲…横倒しになって、褶曲軸面がほぼ水平な褶曲のこと
・節理 …岩石にある決まった方向にわれやすい性質のこと
・懸谷 …本流・支流の河床に高低差ができたことによる滝のこと
・露頭 …岩石・地層が露出している場所
・秩父赤壁…露頭にあった赤い層のこと
・ポットホール…川底のくぼみに礫が入り込み水流により回転して円形の穴を押し広げてできる
・虎岩 …茶褐色のスチルプノメレン片岩(緑色=緑泥石片岩、黄緑色=緑れん石片岩)
・ポイント2埼玉県立自然の博物館
…規模は小さいが、学芸員たちが継続して研究を続けている。
・ポイント3吉田町取方
…
・ポイント4大渕(化石採集)
…化石採集のポイント
・化石が入っている岩石は灰色の泥岩である!
・闇雲に割らず、転石に福あり!
・化石は表面に出ていることが多い!
・質より量で勝負せよ!
・化石に愛情を注げ!
・カルカロドン メガロドン
(学名:Carcharodon megalodon AGASSIZ=Carchar(ギザギザの)+odon(歯)+magealodon(大きな歯))←ギリシア語
…最大体長13mにも達する巨大な肉食性のサメで、新生代新第三紀中新世に
最も繁栄し、鮮新世に絶滅したと考えられている。化石は世界各地で見つかっており、
この歯の化石を日本では「天狗の爪」として、欧州では「舌石(glossopetra)」として、
珍重されている。この歯には広い二等辺三角形で、内側には、歯冠と歯根の境に、
歯頚という縞模様が発達している。縁は鋭く、ノコ状の切れ込み(鋸歯)がある。
学名は、歯化石の特徴そのものである。歯冠高と体長には相関関係がある。
アメリカ:現生ホホジロザメと同じネズミザメ科Carcharodon属
欧州 :ネズミザメ目オトダス科Carchalocles属 に分類する傾向がある
関根浩史氏が50数本の歯の化石を発掘。化石の産地は大里郡川本町の荒川河床で、
比企層群土塩層という1200万年前の地層。ここから一個体の73本の歯が確認された。
その後の研究でほとんどの歯列を網羅することが分かった。
復元例
・ベルギーアントワープ州で発掘、ブリュッセルのベルギー王位博物館にある(体長8m)
・アメリカニューヨーク州アメリカ自然史博物館にある(By Bashford Dean博士/体長30m)
・アメリカワシントン州のスミソニアン研究所にある(By John G Maisey博士/体長20m)
→資料が貧弱で、どれも正確でない
前述の歯により復元された顎骨はH1.8mW1.6mD1.3mのサイズ。大きく開く顎と、
鋭い歯は、クジラなど大型哺乳類を上手にとらえることができた。サメは軟骨から
なるため、骨格化石は皆無に等しく、生体復元は近縁のホホジロザメが参考資料になる。
体長は12mと推定され、これは従来に比べとても正確。
・パレオパラドキシア(学名:Paleopardoxia tabatai Tokunaga)
…新生代新第三紀中新世に生きた海生獣で、デスモスチルスとともに哺乳類束柱目に属する。
これらは、のり巻きを束ねたような臼歯、厚い板状の胸骨、丈夫そうな4つ足を持つ。
歯の形から、海藻、花、ゴカイなどを食べ、カバのような体だったと考えられている。
秩父市大野原の荒川右岸で当時秩父農業高校生の堀口勉が一個体の頭骨、肋骨、背骨などを発掘。
首の骨の発見は骨格の全体像をを知る上で重要な発見だった。体長2.3m、体高1mの
成長途中の個体の「歩き」「泳ぎ」「食べ物をあさる」の骨格復元がある。その隣には
秩父郡小鹿野町般若で発掘されたものの実物模本がある。
かつて秩父盆地は、東方に開く秩父湾という入り江で、とても暖かく、サンゴ、クジラ類、
ウミガメ類、巨大ザメ、チチブサワラなどの魚類、カツオドリなどの海洋鳥類などの楽園だった
デスモスチルス=デスモ(束ねる)+ステルス(円柱)
パレオパラドキシア=パレオ(昔の)+パラドキシア(変わった、矛盾したもの)
これらは「まぼろしの海獣」「世界の奇獣」といわれ、海牛類(ジュゴン)、
単孔類(カモノハシ)と考えられたこともあり、今日に至っても科学的な謎の多い生物だ
これらの先祖が近年、カリフォルニアや北海道で発見され、「ベヘモトプス」と呼ばれる。
これは古第三紀漸新世の地層から発掘された。咬柱と言う円柱状の歯の作りから、原子的と
考えられている。またカリフォルニア州からは「パレオパラドキシア ウェルトニイ」という
新種も見つかっている。
・秩父のカニ化石
…小鹿野町のヨウバケはカニ化石が取れることで有名だ。このほかにも秩父盆地の荒川・赤平川
に沿った奈倉層(中新世)の露出するところでも発見される。ここで見つかったカニの仲間は
300m位の深さにまで分布し、100m位のところに多い。
細かな砂岩からなる奈倉層はパレオパラドキシア・チチブサワラ・カツオドリなど様々な
生物の化石が発見される。これは深さ100mくらいの海底に急速に地層が積もったからだ。
カニは十脚甲殻類で1対のはさみ脚と4対の歩脚を持つ。尾部と腹部が退化し胸部の前に
織り込まれているので短尾類という。
・カイカムリ群 :後ろ1・2対の歩脚が小さく上向き、はさみ状
・尖口群 :口が前にとがる三角形。タカハシセンモドキなど
・方頭群 :背甲が長方形から楕円形。ナグラベンケイガニ、ムカシエンコウガニなど
・尖頭群 :背甲が前にとがる三角形で、脚が長い。
・イチョウガニ群:第二触角が長く羽根状。マルツノクリガニ、サカモトイチョウガニなど
タラバガニ、ヤシガニ、スナホリガニなど異尾類のなかにもカニと呼ばれるものがいる。
これらは一番後ろの歩脚が退化し甲羅の中に隠れているので、6本足のように見える。
甲殻類は古生代カンブリア紀に現れ、短尾類が発展してきたのは新生代古第三紀になってから。
・チチブサワラ
…サワラはマグロやカツオに近い種類の大型の回遊魚だ。1500万年前の地層から見つかり
展示してあるのは頭の骨格などからサワラとは違う新種だとわかった。これは「チチブサワラ」
と名付けられ、現在のウシサワラに近い種で、頭骨から体長2mあったと推定される。
・アケボノゾウ 学名:Stegodon aurorae
…現在、世界にはアジアゾウ、アフリカゾウの2種類しかいない。アケボノゾウはこれらとは
別系統のゾウで60万年前に絶滅した。歯が三角屋根を連ねたような形をしていて、肩までの
高さが2mほどと小型のゾウだが、その割に頭・牙(前歯・切歯)が大きかったのが特徴だ。
これらはステゴドン科(=ステゴス(屋根)+オドントス(歯))のゾウだ。これに対し現生の
ゾウの歯は薄い板を重ねたような構造をしている。
ステゴドンゾウは欧米では発見されず、アジアで見つかっている。狭山市で見つかった歯の
化石をみるとエナメル質の作る三角屋根の形をしているのが観察できる。
・秩父のひげ鯨
…展示は1500万年前のケトテリウム科のひげ鯨だ。クジラは陸上の哺乳動物から進化した
もので、前の方にあった鼻は後退していった。新第三紀中新世のころの海には大型のクジラは
いなく、体長3-10mくらいのクジラがメインだった。しかしこれら鮮新世に絶滅した。
ひげ鯨の耳の骨は鼓室骨と呼ばれる。化石発掘の際には骨の海綿質の模様に注意するとよい
・砂金
…荒川流域は砂金の産地である。特に瀞と瀬が繰り返すなど流れに変化があり、砂金採集に
適している。金鉱脈や金鉱床に含まれる自然金(山金)が浸食され砂泥とともに運ばれ、堆積
したものが砂金だ。漂流中に銀などの不純物が溶解し、山金よりも純度が高い。形は丸みを
帯びた鱗片状、または不規則な細粒をしている。砂礫に対する砂金の比重は16-19で
次第に川底まで沈む。時には砂金どうしが付着し押し固められ塊金を作ることも。
長瀞の上流50km付近には秩父鉱山という金山があり、平賀源内など多くの人が採掘に臨んだ。
砂金採集は椀掛法というもので砂鉄・ダイヤモンドと同様の方法だ。これはおわんなどに
植物の根などを利用して地下深い砂をとり、水中で静かに揺り動かすと砂鉄に混ざって砂金が
取れる
・岩石の変形
…結晶片岩は1000気圧という高圧と、200-300度という温度により岩石が変成してできる。
結晶片岩には平らに割れやすい性質がある。これは片理という構造ができているからだ。
宮沢賢治はこれを見て句を作っている。(つくづくと 粋なもやうの 博多帯 荒川岸の 片岩いろいろ)
長瀞には褶曲・断層・膨縮構造・節理・へき開など様々な地質構造がみられる。
褶曲・相似褶曲 :軸に沿って平行移動させると層が重なるもの
・平行褶曲 :層がずっと同じ厚さのもの
・キンク褶曲:屏風が折れ曲がったようなもの
・翼間角 :翼が作る角度のこと。70度以上のものは「開いた褶曲」、
以下のものは「閉じた褶曲」という
膨縮構造:①層に垂直な圧縮力が働く
②流れにくい層は平行に引きのばされ、厚くなったり薄くなったりする
また流れやすい層は流動する
③流れにくい層は断面が凸レンズのようになる
化石クリーニング
準備:・小ハンマー ・小たがね(授業では釘を加工したもの)
・白マジック(修正液で代用) ・ボンド ・筆
方法①岩石を見て化石が見えていないか確認する。
②化石は一般に層理面(葉理)に入っているので、層理面(葉理)で割れるよう、
ハンマーを当て、岩石を割ってみる。
③化石を見て、隠れている部分を想像する。
④隠れた化石を傷つけないように、小たがねとハンマーを使って、岩石を慎重に
弾き飛ばす。化石が割れたら、ボンドで張り付ける。
⑤筆などを使い化石表面のほこりを飛ばす。
輪郭が不明瞭なら、白マジック(修正液)で輪郭をつけてやる。
⑥図鑑を使って化石の名前を調べる。
岩石プレパラート
目的:岩石チップを薄く削ってプレパラートを作成し、偏光顕微鏡で観察できるようにする。
準備:・岩石チップ(花崗閃緑岩か石英閃緑岩を岩石カッターで切ったもの)
・スライドガラス ・研磨用鉄板とガラス板
・研磨剤(粗#60>#400>#1000細)※違う種類の研磨剤を混ぜると上手に削れなくなる
・セメダイン ・水 ・洗浄用たらい
・マジックペン ・ラベル ・マニキュア ・古新聞
方法①岩石チップの片面を研磨する
…まず#60で表面の凹凸をなくし、#400・#1000で表面を平ら、つるつるにする。
研磨剤に水を混ぜ、円を描くように研磨すると均等に磨ける。
②スライドガラスに岩石チップを張り付ける
…磨いた面を付ける。セメダインは米粒くらいで大丈夫。接着面全体に薄く広がり、
空気が入らないようにしっかり押しつける。
③反対の面を研磨する
…まず#60で色が薄くなるまで研磨する。次に#400で透き通るまで研磨する。
最後に#1000でなくならないように注意しながら研磨する。そして完成。
最終的には厚さ0.03mになる。